湘南寺田屋 山の記録

時々出かける山の記録です。ハイキング、バリエーションルート、山スキー、早駆け、ボリダリング等。鳥見や海外ハイキングも少々。

100周年の徳本小屋と霞沢岳

山を始めたころからずっと泊まりたかった最古の山小屋にようやく宿泊して、なかなかいけなかった霞沢岳に登ってきた。徳本峠小屋100周年の年に還暦60才の自分と創業70周年目のの巣鴨ゴローで作った靴(+片桐のザック)でよい記念となった。

自分は激烈雨男であり、昨年一度来た際は直前に急にミニ台風が発生し、峠で泣くなく引き返したのだが、今回は最近知り合ったKさん、Tさん等の晴パワーのおかげでついに雨具なし。感謝である。

霞沢岳までの長い道も無事こなして登頂することができて満足であったが、願わくはぜひ見たかったK1峰からの槍穂連峰の眺めを味わいにいつか再訪を期したい。

 

初日、朝6時に茅ヶ崎を発ち、高速を順調に沢渡駐車場へ。金曜日だが8割方埋まっていた。シャトルバスにて上高地へ。そのままゆっくりと明神経由で徳本峠を目指す。

片桐クレッターザックとゴローのブーティMで/  明神を見上げて梓川を行く

 

徳本峠分岐から峠道に入れば、これまでの賑わいが嘘のように静かな道となる。カケスのジャージャーいう声やコガラ、コマドリ囀りを聴き、足元の花々を見ながらゆっくりと登る。今日は峠までなので急ぐこともない。

徳本峠分岐 /  歩きやすい峠への道

鳥の声を聴きながら

シラネセンキュウ?/ サラシナショウマ?

 

明神岳のピークまではどうにか見えるがその上の穂高の稜線は望めず。この眺めはかつて島々谷を越えてきた岳人等が目にした穂高岳である。

今年100周年の徳本峠小屋は15名ほどの小さな小屋だが、平日なのに満員(8人グループもいたため)。正面の本館はさすがに年季が入っているが、隣接する新館もできており十分快適である。LEDの電気も点いてご飯も美味しい。夕方結構な雨が降るが、夜には上がったよう。

明神岳が正面に立ち上がる

   100年耐えた本館/ グランテトラもお供

峠の小屋は今年100周年/ 新館は快適で夕食もおいしくいただく 

 

第2日 明け方2時から団体グループが始動していて起こされてしまう。自分等は5時半朝食、6時過ぎに出発。朝焼けもなくガスがかかっているが、幸い薄日もさすまずまずの天気。

雨は降らないが雲は切れない

朝焼けはないが日差しは時々ある

 

いきなりジャンクションピークまで250mの登り。道はよく踏まれているとはいえ、結構段差が大きいステップも多くなかなか大変な道である。夏の花は終わりを迎えつつあり、実も多く生っている。紅葉は少しずつ始まっているようで、ところどころ赤くいろづいている。

ゴゼンタチバナ実 /  樹々の幹にサルオガセ

秋の気配は少しずつ /  サンカヨウの実?

250m登ってジャンクションピーク

 

ここから一旦200m下ってから、K1峰に向かってアップダウンの激しい登りとなる。かつては八右衛門沢で上高地から直登する踏み跡しかなかった霞沢岳であるが、今はこの徳本峠からの道で山頂を目指すのが主である。整備された梯子等を見ながら、よく開拓したものだと感心する長い道。

途中、コガラの群に囲まれたり、ホシガラスやイワヒバリを見かけたり。上空にはアマツバメ飛び交っている。樹林帯を越えて、シャクナゲとハイマツの高山帯となり、徐々に岩がちになってきて勾配が急になるが、それでもほどなくK1峰に到着。小さな看板がひとつある山頂。

秋の実りの時期

K1への登りが続く

K1峰からずんぐりしたK2峰を望む/  ここからの眺めが楽しみだったのだが

 

K1峰からは、槍から穂高、焼岳まで見慣れない角度からの眺望が素晴らしいと聞くのだが、今回は残念ながらガスは切れない。しかし、徐々にK2から霞沢岳本峰までの稜線が見え始める。はるか下には梓川の流れも。少し休憩。

ここから先は所々岩の混じるやせ尾根。慎重に行けば問題はないが、やや難度の高い稜線歩き。左側安曇野側は切れ落ちているので注意して顕著なK2峰に登りつく。ずんぐり頭のピークである。

岩混じりの稜線歩きが続く

本峰が霧の合間に見える

 

4時間超で霞沢岳到着。看板ひとつのシンプルな山頂に2等三角点があるだけ。長らくの念願が叶い喜ぶ。ガスが晴れるのを待ちつつティータイムとするが、状況変わらないので下山とする。

岩を巻いて行く /  静かな山頂

 

K1までの戻りの稜線では、変わった角度からの焼岳や上高地帝国ホテルが見え、また蝶ヶ岳から常念岳、横通岳、大天井岳方面のガスも晴れてくる。下りはなかなかスピードが上がらないが、丁寧にゆっくり目に歩いて徳本峠に戻った。連休なので天幕も6、7張、小屋もおそらく満員なのだろう。

山頂方面を振り返る

K2への戻り。片側は切れ落ちている

焼岳が姿を現した / 上高地帝国ホテルの赤屋根

 

六百山越しに岳沢方面

本峰、K2、K1の稜線 /  常念がくっきり見えてきた

明神越に常念、大天井方面/  徳沢の小屋も見える

霞沢岳を振り返る

ヤマトリカブト青い花 /  徳本峠まで遠かった

そのまま上高地まで下山。最終のバスは大勢の利用者で臨時便が出ていた。バスに乗ると稲光と大粒のにわか雨となったが、幸い本降りにはならず無事に車に戻った。沢渡はたくさんの駐車場がありバス停も4つもあるとのことで、次回はちゃんと研究しておきたい。

茅ヶ崎まで大きな渋滞もなく、快適に走って戻った。

 

(コースタイム)

9/15 (金)

茅ヶ崎6:00=沢渡駐車場10:10=(バス)=上高地BT
上高地(1500m)11:30―明神12:30/12:45ー徳本峠(2100m)14:30(徳本峠小屋泊)

9/16(土)

小屋6:10発―K1(2480m)9:00/9:10ーK2(2620m)09:50ー霞沢岳10:05/10:30―徳本峠14:30/14:50―上高地16:40着

 

(撮影機材)

オリンパス OM-D E-M5 + M.Zuiko 14-150mm(2代目)

E-M5は酷使に耐えてくれたが、最近撮影モード切替えの際に誤作動が頻繁に起こってきたので、そろそろ引退させようと思う。