湘南寺田屋 山の記録

時々出かける山の記録です。ハイキング、バリエーションルート、山スキー、早駆け、ボリダリング等。鳥見や海外ハイキングも少々。

不帰Ⅲ峰dルンゼ滑降

唐松沢から派生する不帰Ⅲ峰のdルンゼは、かねてから一度トライしたかったルート。連休初日にI江さんとY氏君と挑戦した。

八方尾根スキー場のゴンドラ駐車場に深夜到着。8時の始発に乗る人はそんなに多くもないだろうと思っていたら、朝には満車、チケット売り場には長い行列ができることに。唐松~五竜に入山する老獪(?)なT本パーティのおかげで、我々も早めのゴンドラ&リフト2本でゲレンデトップに8:30頃には到着。シールを装着して緩やかな八方尾根を登行開始。

快晴だが、長野では29度との異常高温の予報。確かに暑くて困るほど。唐松は人気らしく何人もの日帰りの方たちと前後して進む。左手に鹿島槍五竜が見渡せる。五竜のA,B沢にもいつか行ってみたい。

f:id:teradaya:20120428104225j:image:w320快晴の八方尾根 

f:id:teradaya:20120428094252j:image:w320右に五竜、左に鹿島 

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不帰Ⅲ峰の各ルンゼを望む(真ん中がdルンゼ)

f:id:teradaya:20120502184009j:image:w320片桐クレッターがお伴(photo by I江さん)

                    

3ピッチで順調に唐松小屋に到着し、真っ白な剣の雄姿を拝み、ここからは板を担いでさらに一息で唐松岳山頂(2695m)に。途中、猿倉に入るM森パーティとの無線交信もしながら、12時半前に頂上到着。写真を撮って、すぐに不帰Ⅲ峰とのコルに下降する。板が引っかかるのに注意。

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唐松本峰まであと少し          剣が見える            

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コルまでの下りは慎重に

dルンゼのドロップポイントには雪庇が出ていて、出だしの傾斜は45度くらいか。気温が高く雪面は緩んでいるので緊張感はあまりないが、スラフ発生は覚悟しなくてはならない。かつて滑ったHさんに頼まれた写真を撮って、13時前にいよいよ私からエントリー。雪庇の左から入り右に沢芯に滑り込むが、重いスラフに足を取られる。慎重に2、3ターンして斜面の右に逃げて、Y氏君、I江さんを待つ。二人とも問題なくターンをこなしている。不帰の岩峰群に囲まれた深いルンゼを唐松本流に滑り込み、ターンを重ねる。スラフはずっとゆっくり流れて長々と下っていくが、危険は感じない。

f:id:teradaya:20120428141541j:image:w360dルンゼを覗き込む

f:id:teradaya:20120428131732j:image:w360いざエントリー (photo by Y氏さん)

f:id:teradaya:20120428142047j:image:w360Y氏君(後ろに雪庇が見える)

f:id:teradaya:20120428142952j:image:w360I江さんが行く

f:id:teradaya:20120428152056j:image:w360唐松沢本流のアルペン的景色 

f:id:teradaya:20120428135940j:image:w360安全地帯にて一息 (photo by I江さん)

さらに高度を下げると左右からのデブリ跡に斜面は覆われ滑りにくくなるが、飛んだりずれたりしながらどんどん下る。谷が広がり傾斜が緩やかになるとようやく緊張からも解放され、小休止である。I江さんは脚が攣ってしまったとのことで、慎重に下降。

左に大きな不帰沢が合流すると間もなく右に八方沢が出てくる。唐松沢はこの先に大滝があるので、八方沢を2本登りかえして八方池に戻らなくてはならない。I江さんも暑さに悩まされていたが、徐々に回復。14:30にシール登行を開始するが、重い湿雪にさすがにみな脚は重い。自分は最初は元気に「ブンリン板付クトー」で角度を稼いでいたが、途中から息が上がる。行動食を食べつくしてシャリバテっぽい感じである。トップを引っ張るY氏君のがんばりと途中から左上の沢状に抜けるべしとのI江さんのルートファインディングで最短ルートを行く。しかし、それでも八方尾根の第2ケルンの到着は16:30。最終ゴンドラには間に合わず、八方池山荘に宿泊させてもらうこととなった(予約していた小谷温泉山田旅館には、連休の稼ぎ時なのにご迷惑かけてしまった。)。

f:id:teradaya:20120501090439j:image:w320長くて暑い八方沢の登りかえし 

f:id:teradaya:20120428163757j:image:w320ようやく八方尾根にもどった


八方池山荘は写真や登山の人でいっぱいだったが、おいしい食事と暖かいもてなしでビールなど飲んで休ませてもらった。

翌朝、5時の日の出を見て、誰もいないゲレンデを貸し切りで滑って、8時の一番ゴンドラで下山した(I江さんは、大事を取って休息とのことであり、Y氏君と二人で雨飾に向かった)。

f:id:teradaya:20120429053543j:image:w180 夕暮れの山荘

(コースタイム)

4/28(土)

8:45 アルペンクワッド終点発(1840m)

11:45/55 唐松山荘上(2650m)

12:25 唐松岳(2695m)

12:40/55 dルンゼコル (2600m)

13:25/35 唐松沢本谷出会

14:05/30 八方沢出会い(1400m)

16:30 第2ケルン(2000m)

16:35/45 八方山ケルン(1973m)

16:50 八方池山荘

4/29(日)

7:15八方池山荘

7:25/8:00ゴンドラ(山頂駅)8:00 

GPSデータ】(by I江さん)

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(総登行高度)約1,450m (総滑降高度)約1,300m

(道具)私 ロシバンディッドB2+ディアミールEx+ガルアドレナリン  

    Iさん ディナスター(?)+TLTバーティカル+ディナフィット4TF

Y君 シュガーダディ+ディアミールFR+スカルパ

*私の写真はリコーGX-8