湘南寺田屋 山の記録

時々出かける山の記録です。ハイキング、バリエーションルート、山スキー、早駆け、ボリダリング等。鳥見や海外ハイキングも少々。

すでに廃道の堅炭尾根(大藪漕ぎ)

茅ヶ崎を2時40分に出て順調にみなかみへ。白毛門駐車場は車10台ほど。5時45分に湯檜曽川沿いの新道を歩き始めた。この時点では気温は22度と心地よい。


1時間ほどで芝倉沢出合にある旧紅芝寮(現JR送電線巡視小屋)へ。学生時代に毎年GW春合宿をしていた懐かしい場所を38年振りに来た。ここから旧道に上がり、芝倉沢に入る。ここでようやく1名先行者に追いつく。結局稜線まで会ったのはこの1名のみ。

芝倉沢 /   雪渓の名残が残る


沢を遡上し、S字屈曲点の先から左の踏跡から堅炭尾根に取り付く。しかし50mほどで踏跡は不明瞭となり猛烈な熊笹藪漕ぎとなる。

取り付きはまあ明瞭/ それなりの踏跡で始まる

順調に高度を上げていく/ 上越国境蓬峠方面

 

どうにか堅炭岩稜線まで登りつくと岩稜沿いにトレースが残っている。ペンキの矢印も見つかったのだが、しかしこれも巻道になるとすぐに藪漕ぎとなる。気温は急上昇し風もなく汗だくである。深雪腰上ラッセルよりも暑い分苦しい。堅炭岩はかつて谷川の開拓期には一ノ倉や幽ノ沢には敵わないまでもルート開拓されたりしたのだが、今は人の気配はない。とはいえなかなか勇壮な姿である。

堅炭岩まで手前のブッシュを漕いでいく/ 

フジバカマ / 堅炭岩まで藪漕ぎ覚悟

花には癒されるが/  熊笹の藪はきつい

稜線に上がるとちょっと一息つける(ホタルブクロ)/  古い矢印ペンキ

 

しばらくはなるべく稜線伝いに登るが、ここも岩が切れると結構藪漕ぎパートがありなかなかペースは上がらない。徐々に日が高くなり気温はますます上がる。長袖&革手袋で藪に突っ込むのだがもう身体中汗だく。意識して水分補給をするのだが、なかなか固形物は口にする気にならず体力を消耗する。

クルマユリ

一ノ倉岳の稜線までは傾斜も緩むのだがその分すくすく育った熊笹の背丈ほどの藪漕ぎが続き、10歩歩いては倒れ込んで休むような苦行。もはや撤退もできない高さであり、ここは気合で前進あるのみ。5時間の力闘の末に高度差850mのブッシュを乗り越え、最後の50mは踏跡らしきものを見つけて13時前にようやく一の倉岳山頂に飛び出した。

木に登って休むと少し涼しい/  行くては緩傾斜の笹藪が手強そう

山頂飛び出した/ 小さな避難小屋があるが中は蒸し風呂

最後に登りついたトレースらしきもの /  谷川本峰の耳二つ

大休止としたいところだが、日陰もないのでそのまま稜線を谷川本峰に向かう。よく踏まれた道というのはなんともありがたいものである。

湯檜曽川がはるか下に

クルマユリの群落/  「のぞき」から一ノ倉沢 雪渓が残る

ここからはすれ違う登山者も多くなる(というより、今日はまだ1名しか人と会っていなかった)。暑さには閉口するが、整備された道を花々を見つつ足の回復を図りながら谷川岳に向かう。徐々に雲が沸き遠くで雷も聞こえるのであまりのんびりもできない。谷川岳は双耳峰であるが、トマの耳は私の生まれ年と同じ標高であり、ちょうど還暦の記念に登りたかった峰(もうひとつ雨飾山も同じ高さ)。トンボがたくさん飛び交う中、無事到着。

オキの耳へはお花畑の道を行く

キオン(?)/ タテヤマウグボグサ

トンボがたくさん飛ぶ山頂/   還暦記念(にしてはよれよれ状態)

計画では西黒尾根から厳剛新道を下ろうと考えていたのだが、雷雲も出てきたので西黒尾根はやめて天神尾根を下山した(暑すぎてやる気を失った言い訳のような気もするが)。

 

(コースタイム)

白毛門駐車場(700m) 5:45
旧紅虹寮6:35/6:45
芝倉沢新道出合(993m)7:35
尾根取付(1130m)7:50
堅炭岩稜線(1450m)9:35
一ノ倉岳(1974m)12:50

谷川岳オキの耳(1974m)14:00
谷川岳トマの耳(1963m)14:10/14:20
谷川ロープウェイ駅(1320m)15:50

 

(GPS

 

(撮影機材)オリンパスμ1030、iPhone12mini