湘南寺田屋 山の記録

時々出かける山の記録です。ハイキング、バリエーションルート、山スキー、早駆け、ボリダリング等。鳥見や海外ハイキングも少々。

ヤマボク初見参

山の会でこれから山スキーをやりたいメンバーをお連れして南志賀のヤマボクスノーパークへ。非圧雪斜面の滑降、シール登高、雪崩予測や回避の知識、ビーコン等の使い方などを練習し、最後にクラシックなツアールート「タコチコース」を滑降。なかなか良いトレーニング機会となった。

 

金曜に休みをとり、早朝に湘南を出発。横浜のIさんは車で片瀬のMさん宅に来て、その後Nさん&私の順にピックアップしてもらう。近隣エリアの仲間なのでありがたい。M車は車両運搬用にくふうされたワンボックスであり広くてありがたい。あいにく圏央道で2つも交通事故が起きていて渋滞があったが、どうにか昼前に山田温泉H野屋さんに到着。荷物を置かせてもらい着替えもしてからヤマボクスノーパークに向かう。

雪は1m弱と少なく、またこの一週間降雪ないうえに雨が降ったそうで、堅い雪である(宿の方もこんなことはまずないのだが、とのこと)。雨男でないときは渋滞や寡雪をもたらす体質をうらむが、 仕方なし。

初日は非圧雪エリア70%というヤマボク内で、それぞれのギアの調子を確認し、久々の滑りを思い出す。Iさんは初めてツアー用具をすべて新調したので使い方等じっくり慣れてもらう。Mさんはスキーモ(山岳スキーレース)仕様で超軽量の走れる(!)ブーツと細板だがとても安定した滑り。Nさんは逆に極太板なので硬いバーンには苦戦している。自分もオールマウンテンのエランにG3 ion10ビンディングを慣らす(奇しくもIさんと全く同じセット)。ブーツはラング(ソールをGrip Walkに交換済)。いろいろ滑るもふかふかパウダーにはあたらず、いろいろな悪雪で練習できた。

 

H野屋さんは、ゆったりとした昔ながらの作りで広く快適。宿の方はとても親切で温かい。24時間温泉と取り寄せ地元お弁当の夕食を楽しんだあと、座学で雪崩発生要因や地形等を勉強し、ビーコン捜索練習やスコップ&プローブ等の操作をやってゆっくりと過ごした。

 

土曜日、「2nd Stage」という限定エリアへの立入を申し込んでいたので、7時半頃にヤマボクへ。受付建物がわからず苦労したが、とにかく無事エントリー。2人のガイドさんの案内でエリアに行き、あとは自由に滑るとの仕組み。リフト2つ乗り継いでから林道を滑ってエリアに入り滑降(一気に滑れる長さ)。下の圧雪道で仮設小屋に戻りスノーモービルでゲレンデ接続点まで引っ張ってもらい、緩い林間コースを滑ってベースに戻るのが1セット。

 

やや滑降距離が短いことと、今回は雪質がよくないのが残念だが、それでもゲレンデ本体の3分の2もある広大な非圧雪エリアなのでたまに良い雪にも当たったりしつつバックカントリー滑走の練習にはとても良い。途中シール登高の実践できてよい実戦練習である。

 

天気は昼頃からどんどん回復しきれいな青空となった。笠ヶ岳樹氷の森のうえに岩峰を見せ、リフトトップからは頚城の山々からはるか後立山連峰の峰々(白馬から唐松、五竜鹿島槍爺が岳)が見渡せ、さらに遠くには槍から穂高連峰もよく見える。奥には笠ヶ岳も。よく見ると後立山連峰の奥に剱岳も頭をのぞかせていた。

 

6セットくらいやっておいしい斜面も見つけたりして存分に滑ってから宿に戻り、また温泉とご馳走(この日はしゃれた洋風お惣菜で皆とても満足)となった。夜は全国のツアールートについて語りあう。



翌日曜日、「タコチコース」を滑ることとする。高山村の「ひまわり色の黄身」の卵で玉子かけご飯等いただいてから出発。ヤマボクとは別の管理だそうで、管理事務所で入域協力金(含シャトルバス一回券)とゲレンデ一日のセット券を買って申し込む。志賀熊の湯からの笠ヶ岳越えはクラシックルートだが、このタコチもその一部で、ヤマボク上部から入り山田温泉まで標高差800mほど。林道沿に行くと14kmもあるそう。実際は9つのショートカットがあるのでずっと短いが。

11時半のバス時刻から逆算して、10時にリフトトップをスタートし、途中からタコチコースに入る。上部は予想に反して良い雪も残っていて足首上くらいのパウダースノーのロング滑走を楽しむ。初めてのNさんやIさんも喜んでくれる。9箇所のショートカットセクションと林道沿い滑降が交互となる。最後は長い林道滑りでシャトルバス乗り場に到着。

 

 

バスでヤマボクに戻り、車でH野屋さんに荷物をとりに寄る。「大湯」という古い共同浴場で汗を流してとおもったところ、宿泊者限定で温泉組合の共同湯「滝の湯」に入れていただいた。鍵を預かり開けるとそこに浴槽があるだけだの大変風情ある湯であった。


早めにあがったので帰りの渋滞もなく夕方には湘南に到着。これで次回はツアーに出られそうに思う。